医療面接

診察の手順の一つとして「問診」とか「病歴聴取」というのがありまして、患者さんから症状や経過を聞いていくつかの病気を想定したり除外したり、診断の第一段階としてはとても重要です。その後の診察や検査よりも大切だったり大きなヒントになったりするので、一般の人が思う以上に我々は労力や時間をかけて患者さんの話を聞きます。

近年はこの問診を「医療面接」と呼ぶようになったらしく、診断の入り口としてだけでなく患者との信頼関係を築いたり治療の一法としても位置付けられています。医学生の教育でもこの部分は重視されるようになりました。私が学生の頃にはそんな風には習わなかったと思います。

習わなかったけれど、医師として働くようになってから、先輩たちの診察を見たり自分で試行錯誤したりして、いろいろ身につけました。小さな病院で働いた期間が長くてCTやMRIや内視鏡などの大仕掛けの検査に頼りすぎなかったというのもあって、知らず知らずに医療面接を大切にするようになったようです。話をよく聞けば診断のヒントになるし、よく話を聞いてくれる先生という「誤解」もしてもらえるので、一石二鳥です(笑)

まあ、患者さんを「患者様」と呼ぶようになって、クソ丁寧な言葉を駆使するとか後で訴えられないように十分な話をしておく等の小手先のテクニックも話題にはなりましたが、私ゃ嫌いですね。今さら丁寧な言葉は使えないし、こんなキャラですので正直な話をしようと思っています。

話を聞いてもらってスッキリしたわぁ、この先生ならなんとか治してもらえそうだわぁ、と思ってもらえたら第一段階としては成功なんですよ、お互いに。

はらクリ

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はらかつ

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