風邪かと思ったら肺炎だった

寒くなって風邪をひく人が増えてきました。インフルエンザも少しずつ流行ってきましたので皆さん気をつけてください。と言っても、十分に食べて寝て過労を避ける、これだけなんですけどね。
「風邪っぽくなったら必ず仕事や学校を休む」という考え方には私は反対です。「働けないくらいの高熱や咳き込みがあれば休養する」でイイんじゃないでしょうか。もしインフルだったらどうする?コロナだったらどうする!という声もありますが、仕事や学校に行けるような健康状態の人が罹ったとしても、重症化することは稀ですので慌てることはありません。他人にうつすのが心配ならば市販の検査キットで十分です。
風邪もインフルもコロナもアデノもヒトメタニューモも全部「風邪の仲間」です。熱や咳や鼻水や喉の痛みなど症状は同じ、使う薬もほとんど同じです。扁桃炎や気管支炎や肺炎になっていなければ、どれも同じ治療で数日で治ってしましまうので心配ありません。
ところが、風邪の仲間と同じ症状で始まったのに本当は肺炎だったとか結核だったとか肺癌だったなどというケースが時々あるので困ります。
10月上旬から小中学生やお母さんの肺炎が多発しています。コロナじゃなくて安心していたら熱が続いて心配になりましたという相談が多いです。風邪やコロナの治療をしてるのに熱が5日以上も続くし咳痰もひどくなってきたっていうのは怪しいです。レントゲンを撮ってみたら肺炎が見つかったということがもう30例以上もあります。肺炎であれば肺炎の治療に切り替えればもちろん治りまます。初めから肺炎だったんだと思いますが、初日にレントゲンを撮ることはありませんので証明はできません。
「風邪は万病の元」という言葉があります。軽い風邪だと思って放っておくと重い病気になることがあるという意味で使われていますが、本当は違います。「ひどい病気でも初めは風邪とそっくりな症状で始まるので区別が必要だ」という解釈が正しいです。患者さんに対する注意ではなくて医者に対する戒めであると私は思っています。
風邪が長引いて心配になったら受診してください。

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はらかつ

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