Series2 風邪について

まずは「かぜ症候群」から。

症候群というのは原因や病態はいろいろあれど似た病像になる不調をひっくるめて呼ぶ名前。なので、咳や鼻水が出たり喉が痛かったり熱が出たりだるかったりして、治療してあるいはしなくても数日後には治ってしまって「風邪ひいたんだわ」と後で振り返れるような不調をひっくるめて「風邪症候群」と呼ぶ。

ということは原因や病状や治り具合もいろいろ。過労だったり寒い目にあって微熱や鼻水が出たり、風邪症状をおこすウイルス(ライノやコロナ)、喉を痛くする細菌など、また自力で治る人もあれば、持病が重症化したり高齢がたたって亡くなる人まで、転帰も様々ですな。

風邪は万病の元というけれど、風邪からいろんな病気になっていくことはなく、風邪らしき症状だけど別の病気だったとか、糖尿病などの持病が風邪を契機に悪化してしまう、なんてことを指していうのであろう。

そしてまた風邪そのものに効く薬はなく、咳や鼻水や熱など個々の症状を和らげて楽に過ごさせるという治療しかないのが実際。ところがこの対症療法を怠ると症状が長引いて体力が落ちたりして厄介なことになるので、対症療法は大切。そのためには病状をしっかり診て最善の薬を選ぶことが必要で、このあたりは医師に課された仕事でありましょう。

あ、それと、ウイルスや細菌などの病原体が原因で風邪症状が起こることも多いけれど、それらに効く特効薬はないので(例外的に抗インフル薬はある)、まぁ原因はなんであれ対症療法は同じ。そういう意味では、新型コロナが関係しているか否かは、治療上はたいした問題ではない。使う薬も同じだし…(笑)

コロナの話は別項で。

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