ライフワークとでも言いましょうか…

以前に京都の病院で働いてたころ、当時のボスから言われました。

「原クンなぁ、病院に来る患者の症状の中で一番多いのはなんやと思う?」
「いや、わかりません」
「それは咳や。咳で受診する人が一番多い。日々診療してたらわかるやろ。」
「あぁ確かに多いですね。そうかもしれませんね。」
「それでな、その咳で来る人たちがどんな原因で咳をするようになったのか、きちんと診断して統計をを取ったら面白いと思うんやけどな、君、やってみる気はないか?」
「あ〜考えときます。」
と返事をしたものの、心の中では、また教授が思いつきで振ってきたなぁ、今は咳なんかじゃなくて難しい肺の病気を診るのに忙しいんだけどな、と思ってました。
たった1年で出雲に帰ってくることになり、呼吸器内科を中心に診療するようになったわけですが、たしかに咳で困ってる患者さんは多い、今まで以上に数多く診るようになりました。
ただの風邪らしい、風邪にしては長引いている、そもそも風邪らしくない、大変な肺の病気だったり肺以外の病気であったり、咳の原因は様々です。正しく診断して適切な薬を処方してあげないと治らないので責任重大です。治らなかったら診断し直して治療方針を修正することも大切です。
この手順にもだいぶん慣れてきて、今では7割くらいの患者さんで正解が出せるようになったよう思います。一発で治らなくても再診すれば正解に辿り着けることがほとんどです。
ま、診断がつかない、あるいは治療してもクスリが効かないなんてことがあると、それはそれで興味深い。不謹慎に聞こえるかもしれませんが、そこからが医者としての楽しみなんですねぇ。
咳の診療、面白い!、ライフワークみたいになってる。
あ! これはもしかして 30年前のボスの術にハマってしまってるのか?!

怖い こわーい。

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