風邪とはなんぞや?
罹るたびに症状が違う、また人によっても違うのはなぜか?誰からうつったのか?ひとり寒い目にあっただけでも風邪っぽくなるのはなぜか?医者によって薬が違うのはなぜか?そもそも医者は分かって治療してるのか?
などなど、疑問ですよね。
実は「風邪という単一の病気」は存在しません。
咳や鼻水が出たり喉が痛くなったり熱が出たりお腹の調子も悪くなったりといった似たような症状が起こる病状を、ひっくるめて「かぜ症候群」と呼んでいるだけなんですよ。
いろんな病気が混ざっているので診断や治療に困ることも少なくなく、たいへんな病気を見逃してしまうこともありそうです。
「風邪は万病のもと」という言葉がありますが、これは風邪をほ放っておくといろんな病気になるという意味ではなく、初めは軽い風邪に思えたけれどホントは別の病気だったってことが時々ありますよということです。こわいこわい。医者も患者も気をつけないと、です。
さらに恐ろしいことに、我々医者は風邪の治し方を医学部では習いません。スタンダードな治療法も確立してないし風邪の専門医なんてものもいませんしね。ならば医者になってから習うかといえば、大病院で研修して専門分化していく過程でも風邪を診察することはほとんどありません。誰も教えてもくれません。ご存知の通り、大病院は「熱のある方お断り」ですからね〜。
そこで、風邪の診療についてはクリニックを開業してから独自に研究します。オリジナルと言いましょうか我流と言いましょうか。
風邪らしき患者をどう診察するかどう治療するかということで、医者の作法というか能力というか、露呈してしまいますよ、ホント。
風邪をひいたら受診してみてください。患者側から見える観察点が色々あって面白いと思いますよ。